シェルドレイクの仮説について詳しく知りたかったので、本を探していたんですけど、シェルドレイク自身が書いた本を買おうかとも思ったんですけど、こういう本は概して難しい。なので、日本人が書いた解説書を買ってみました。
彼の仮説は「形態形成場」と「形態共鳴」という言葉に代表されます。
現在自然に存在する生物の特徴的な形と行動、または物理的、化学的なあらゆるシステムの形態は、「形態形成場」による「形態共鳴」と呼ばれるべきプロセスによって導かれる。「形態形成場」がいったんできあがると、それは時間と空間を超えてこれから発生する生物や物理的、化学的システムに影響を与え、過去に形成された同様の生物やシステムの形を組織化し、再現させようとする。要するに、今あるものが今のような形をしているのは、過去に同じ形のものがそのように存在したからである。
この本では、このことを、いろいろな実験や例によって説明していっています。
一番わかりやすいのが、有名な百匹目の猿の話でしょう。
ある島で野生の猿にエサを与えていた。そのエサは洗っていない土の付いた芋で、猿たちは、手や体でこすって食べていた。ある日、一匹が水の中に芋を落としたら、芋がきれいになった。それからその猿は川で芋を洗って食べるようになった。そうすると真似をするものが次々出てきた。またある日、川の水が枯れてしまったので、猿は海に芋を洗いに行った。そうしたら、塩味がついて美味だった。これまた大勢が真似するようになった。
百匹に意味があるかはわからないが、大勢が同じことをすることにより、形態形成場ができ、強まったことになる。
形態形成場は時間と空間を超えるので、他の島でも、それに形態共鳴して、海で芋を洗う猿が出てきたという話です。
また、シェルドレイクは人体発生の場面でも形態形成場に共鳴することによって形が作られていくと言っています。DNAがすべてではないということです。
Comments