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交感神経による免疫の制御

一昔前に流行った安保徹の免疫学をご存じだろうか?

顆粒球(95%が好中球)にアドレナリン受容体があり、交感神経支配。

リンパ球にはアセチルコリン受容体があり、副交感神経支配でしたね。

大阪大学の研究論文を読んでいてびっくりしたんですが、「リンパ球にはβ2アドレナリン受容体があって」と普通に書いてある。

交感神経と副交感神経の両方の影響を受けているやん!

その研究では交感神経に焦点を当てて実験しているんですけど、交感神経が興奮した状態にすると、血液とリンパ液に含まれるリンパ球の数が急速に減少する。

じゃあどこに行ったかというと、リンパ節に足止めされている。

リンパ球というのは、リンパ節からリンパ液中に出ていき(脱出し)、リンパ液が血液に合流するのに伴って血流に乗り、再びリンパ節に戻るというかたちで全身を巡回している。

しかし、交感神経からの入力がリンパ球に発現するβ2アドレナリン受容体を刺激することによってリンパ球のリンパ節からの脱出を抑制する。

だから日中、交感神経が働いている時は、リンパ節にリンパ球が多く足止めされる。

逆に、好中球は直接的作用ではないが、交感神経系が好中球を取り巻く微小環境を変化させることにより、血液から組織への好中球の移行を促進する。

副交感神経も関与するんでしょうけど、簡単なシーソー関係でないことは確かですね。

交感神経が正常に働くというのが大事なことですね。

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