Porgesは進化上で爬虫類までと哺乳類以降では、防衛反応において大きく違うことを指摘した。
爬虫類までの防衛反応は2つに大別されて、1つは「闘争逃走反応」で、もう1つは「不動」です。
「闘争逃走反応」は、動くことによる防衛で、交感神経系が担当する。
「不動」は、じっと動かず敵から隠れてやり過ごすことです。また、環境の悪化に対してエネルギー消費を抑えてやり過ごすことも含まれます。そして、究極の不動反応として「フリーズ(凍りつき)反応」または擬死反射とも言われるものもあります。
この「不動」は背側迷走神経系が、その機能を担います。
そして、フリーズ反応は危機状況で発動した極度の交感神経緊張に背側迷走神経系が強いブレーキをかけている状態と考えられています。
平時は背側迷走神経系は休息、回復、消化などを調整する生命にとって支持的な機能を持っています。
そして、哺乳類に進化すると原始的防御反応に加えて環境の変化や危機的状況に対応するための新たな様式が登場した。それは「社会的行動」による対処、反応様式です。
Porgesが「社会的関りシステム」と呼んでいるそのシステムを担うのが腹側迷走神経複合体です。
一般にコミュニケーション担うのは、自律神経系よりも高位に位置する中枢神経系の役割と考えられてきたが、哺乳類には中枢神経系からの信号を受けつつも、それ自体が社会的関り機能を自律的に担う新たな自律神経系が進化したことをPorgesは見出しました。
自律神経が直接、コミュニケーションに関与するとはどういうことか?
「複合体」という言葉がkeyになってきます。
つづく。
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