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多重迷走神経理論3

腹側迷走神経は脳幹において神経核が隣接する脳神経(顔面、頭部、頚部の横紋筋を支配する)と連動するようになり、それが腹側迷走神経複合体を形成する。

哺乳類では、社会的関わりによる防衛、つまり他個体との協力や援助を受けることによる防衛が加わり、そこでは他個体との距離は近くなります。

そこで課題となるのが相手との距離を詰めることが本当に安全なのかという無意識的、瞬間的な個体間の査定、確認(すなわちコミュニケーション)とそれに基づき、距離が近づくことで作動するはずの交感神経系の緊張(闘争・逃走反応)、あるいは背側迷走神経系の緊張(フリーズ反応)を抑制することです。

腹側迷走神経複合体に含まれる脳神経系は、「安全」「安心してもよい相手」という情報のやりとりに関与する。

顔面神経による表情筋の調節、舌咽神経による声(韻律)の調節、副神経による頚部筋支配を通じた顔の向きの調整などにより、自分は敵ではなく味方であるという信号を送る。

また、顔面神経支配が支配している耳小骨筋は、耳小骨における音の伝道を微調整することで、背景の雑音から相手の声を聞き取りやすいようにチューニングを行い、円滑で安全なコミュニケーションの助けになっている。

相手の顔の表情、声の韻律によって安全であると確認できると腹側迷走神経系は交感神経系が防衛反応を起こすことを抑制する。

  つづくかな。


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