知性の進化
- itami-osteopathy
- 2020年2月15日
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著者であるジョセフ・C・ピアスは、世界は三層性を持っていて、今見えている物理的世界、その背後に人間の感覚器感ではとらえられない「精妙な」あるいは「形成的な」世界、さらにその奥にそれを生じさせる「原因的な」世界があるという。
この3つの世界は、デヴィッド・ボームのいう「明在系」「暗在系」「超暗在系」に対応する。
そして、人間の精神はやはり三層構造を持つ脳を用いて、この3つの世界を認識する。
三層の脳とは、爬虫類型の脳、旧哺乳類型の脳ー大脳辺縁系、新皮質ー新しい哺乳類の脳である。
つまり我々の心は物理的世界に制限されず、その背後にあるより根源的な世界に通じていて、そこから情報を引き出す。
サバン症候群の人などは直接、その根源的な世界にごく限られた範囲で通じていて、超人的な能力を発揮する。
それから、読字障害の患者の話があって、この人たちの多くは、文字がページの上にとどまっているように見えず、浮いて漂っているように見えるらしい。そこで乗り物酔いの薬を飲むと症状が、一時的に改善される。それに興味を持ったイギリスの整骨医(たぶんオステオパス?)は患者を様々な方法で回転させたり、揺らせたり、横転させたりして、前庭と内耳が正常な機能に戻るようにやってみた。側頭下顎接合部と内耳の前庭回旋処理ーこれは身体バランスと空間定位の感覚にかかわっているーとの間には密接な関係があることから、整骨医たちは頭蓋と下顎接合部が柔軟になるまで治療する「頭蓋整骨」の技法を開発した。とあるので、内耳機能の回復が読字障害の治療になるということですね。
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