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腰部脊柱管狭窄

腰部脊柱管狭窄とは、腰椎部において、主として加齢に伴う退行性変化による椎間板や黄色靭帯、椎間関節といった神経組織周囲の変性やそれに伴う肥厚により、神経根や馬尾が慢性的な機械的圧迫を受けている状態である。


症状は、腰痛(狭窄症では腰椎の椎間板、椎間関節などの変性を伴っている)、両下肢のしびれ、下肢痛、下肢症状(脱力、筋力低下→3か月以上経過したものは手術でも回復が悪い)、間欠跛行(もっとも特徴的な症状)、膀胱障害、陰部症状。

間欠跛行とは、歩行時に症状が憎悪し、休息ー前屈やしゃがみ込むと症状が軽快する。腰椎を伸展していると症状が悪くなるので、自転車では症状が出にくい。

間欠跛行を起こす疾患には、閉塞性動脈硬化症もある。この場合は、姿勢に関係ない。動脈硬化により血流が悪くなっているので、運動により症状が出る。なので、動脈の拍動を触診すればわかる。大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈を触診するが、足背動脈は10%に先天性拍動欠損があるため注意が必要である。


他の腰・下肢痛やしびれを呈する疾患

・腰椎椎間板ヘルニアー椎間板の膨隆・破裂によって、馬尾・神経根が機械的あるいは化学的に傷害されことによる。安静時痛が強い。

・糖尿病性神経障害ー左右対称性で、靴下の覆う領域にみられる末梢優位型である。

・円錐上部症候群ー胸腰椎移行部病変で脊髄円錐上部が障害されたもので、下垂足・筋委縮・膀胱直腸障害・深部知覚障害を有し、根性疼痛を認めない。

・腓骨神経麻痺ー腓骨頭部での腓骨神経圧迫により生じる。大腿後面の神経痛はなく、腓骨頭の圧痛(Tinel徴候)がある。

・梨状筋症候群ー臀部における絞扼性坐骨神経障害で、神経症状と圧痛点だけでは腰椎疾患による坐骨神経痛とは区別することはできない。股関節屈曲内旋にて疼痛の誘発を見るFreiberg test。

・脊髄腫瘍ー運動麻痺を主体とするものと、疼痛を主体とするものがある。後者の場合、夜間痛や硬膜管内圧を上げる手技(Valsalva徴候など)が特徴的と言われるが、症状から腰部脊柱管狭窄と区別することは困難。


参考文献ープライマリケアのための腰部脊柱管狭窄 医薬ジャーナル社


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