この本の著者、ジル・ボルト・テイラーは、神経解剖学者です。この人が、突然脳卒中になり、その時に自分に起きたことを詳細に、書き綴っています。脳卒中になった人がこんなに詳細に覚えていられるのかというくらい詳細に書かれています。
面白いのが、(面白いと言っては失礼ですが)ジルは左脳が壊れてしまったのです。右脳の世界を体験したのです。
左脳は境界をはっきりさせ、細部を見ます。この左脳が機能しなくなったので、自分を流体のように感じたようです。流体というのは英語で、フルイドです。やはりフルイドを感じているのは右脳なんですね。
SPECTでチベットの僧侶とフランシスコ会の修道女を被検者とした実験では、神との一体感を感じたときの脳の状態は、左脳の言語中枢の活動が減少し、次に左脳の後部頭頂回にある方向定位連合野の活動の減少がみられるようです。
だから、ジルも自身を流体のように感じ、宇宙と一つになった感覚を感じていたようです。
今では講演ができるぐらいに回復し、固体に戻っているようです。
神経の専門家が自分で体験しないと書けない良書です。
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