老人性振戦、随意運動で増強し、上肢、頭、下顎、口唇、舌に著明です。老人にはパーキンソン病も多いのでこれとの鑑別が大事です。
パーキンソン病では、静止時振戦で、上肢を水平位に保持させると減弱ないし消失したり、随意運動で一時的に抑制される。よく知られている丸薬丸め様運動もありますね。
老人性振戦というのは本態性振戦の中に入るんですけど、本態性というのは原因不明という意味です。
その振戦の原因が解明されたという論文が発表されました。
その原因は小脳のプルキンエ細胞の起始部におけるナトリウムイオンチャンネルの欠失にある。それにより、プルキンエ細胞が発生する電気信号が弱まっているということです。
小脳だったんですね。
小脳で有名なのは、企図振戦。これは小脳と中脳をつなぐ上小脳脚の病変が原因です。
それより気になったのは、本態性振戦の第一選択薬がβ遮断薬です。またもや交感神経だ。
末梢の交感神経の活動が上昇しているので、興奮を伝達するノルアドレナリンをブロックするらしい。
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