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トランス脂肪酸

脂肪と言って、一番初めに思いつくのは中性脂肪でしょうか。血液検査で調べるやつです。

これの正式な名前は、トリアシルグリセロール(トリグリセリド)です。


グリセリンに手が3つあってそれに脂肪酸がついている状態です。

そして、この脂肪酸には2種類あって、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸です。

脂肪酸は、炭素(C)の原子が鎖状につながった分子で、その鎖の一端に酸の性質を示すカルボキシル基(-COOH)と呼ばれる構造を持っているのが特徴です。

この鎖状につながった炭素原子間の結合に二重結合を持つものが、不飽和脂肪酸で、持たないものが飽和脂肪酸です。

不飽和脂肪酸には炭素間の二重結合の周りの構造の違いによりシス型とトランス型の2種類があります。

シス(cis)とは「同じ側の、こちら側に」という意味で水素原子(H)が炭素(C)の二重結合をはさんで同じ側についていることを表しています。


トランス(trans)とは「横切って、かなたに」という意味で水素原子(H)が炭素(C)の二重結合をはさんでそれぞれの反対側についていることを表しています。

このトランス型二重結合を持つたくさんの種類の脂肪酸をトランス脂肪酸と呼んでいます。マーガリンなどに入っている脂肪酸です。


天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、炭素間の二重結合がすべてシス型です。牛、羊などの反芻動物では胃の中の微生物の作用でトランス脂肪酸が作られます。そのため肉や乳製品に微量含まれます。

通常はシス型で、1つでもトランス型が入るとトランス脂肪酸になります。

例を挙げると、オレイン酸は総炭素数が18で、二重結合が1つだけなのでこれがトランス型になるとエライジン酸になります。

アラキドン酸は炭素数20で、二重結合が4つあるのでトランス脂肪酸が15種類あります。どの二重結合がトランス型になるかで決まってくるのでこんなに種類が多くなります。

2ⁿ-1、n=二重結合の数  

※図は農林水産省のホームページから拝借しております。  



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