top of page
検索

概日時計としての脈絡叢

更新日:2021年3月9日

概日リズムについてな何回か書きましたが、2018年3月に理化学研究所が発表した論文に面白いものがあったので紹介したいと思います。

私たちの細胞一つ一つにも概日リズムがあり、睡眠や覚醒、体温ホルモン分泌、代謝などにも概日リズムがあり、それをオーケストラの指揮者のように統御しているのが、我々哺乳類においては中枢時計であり、視床下部にある「視交叉上核」です。

そして脈絡叢とは、脳の側脳室・第3脳室・第4脳室、各脳室の天井部分にあり、脈絡叢上皮細胞は毛細血管の血管内皮細胞とともに血液脳関門を形成している。また脳脊髄液を産生し、脳室に分泌する重要な臓器です。


今回、理化学研究所はマウスを用いて、脈絡叢が中枢時計を司る視交叉上核よりも堅固な概日リズムを刻むということを発見しました。


視交叉上核の概日リズムは脈絡叢によって短周期になる一方、脈絡叢の概日リズムは視交叉上核によって周期に影響を受けないことが分かりました。これらの結果は、脈絡叢から視交叉上核へ内因性の同調シグナルが存在することを示しています。

脈絡叢時計が、脳脊髄液の循環を介して中枢時計に作用し、概日リズムを制御していることも分かったようです。物質の特定はできていないようですが。逆に視交叉上核は脳脊髄液を介さずに光シグナルを脈絡叢に伝えているようです。


やはり、脳室が正常で、脳脊髄液の循環が正常であることは大事なことなんだね。

閲覧数:23回0件のコメント

最新記事

すべて表示

霧の中のバーバラ

この本の著者は、「世界の中心で愛を叫ぶ」を書いたベストセラー作家である片山恭一さんである。息子さんが障害をお持ちのようで、いろいろと調べていく中で、バーバラ・アロースミス・ヤングのアロースミス・プログラムに出会ったようである。 バーバラ・アロースミス・ヤングの書いた「彼女の脳を変えた女」という本があるようだが、残念なことに日本語に翻訳されていない。様々な言語に翻訳されているのに日本語はなぜないのだ

ここまで来た「あの世」の科学

ここまで来た「あの世」の科学ー天外伺朗 前回紹介した「般若心経の科学」とかなりの部分でオーバーラップしている。 ボームの内蔵秩序やユングの集合的無意識の話が出てくるが、それらの原典を読むよりは、かなりかみ砕いて説明しているので、わかりやすくていいと思う。 「この世」のすべての生物、物質、精神、想念などが、たたみ込まれた、目に見えないもうひとつの宇宙の秩序 時間も空間も存在しない世界 全人類を結ぶ「

般若心経の科学

般若心経の科学ー天外伺朗 この本は、276文字の般若心経の解説書である。 理論物理学者、デビット・ボームの「ホログラフィー宇宙モデル」 心理学者、ユングの「集合的無意識」 「般若心経」 ホログラフィー宇宙モデルでは、目に見える物質的な宇宙を「明在系(explicate order)」、もう一つの目に見えない宇宙を「暗在系(implicate order)」と呼び、暗在系には明在系の全ての物質、精神

bottom of page