生きているエネルギーは主として糖と脂肪から得られます。そして乳酸は糖からつくられます。
エネルギーはミトコンドリアが糖と脂肪を分解して作ってATPという形にして生み出しています。
ミトコンドリアが、ATPを糖と脂肪から生み出す反応の最後に酸素が必要になります。
糖を利用する途中でできるのが乳酸で、乳酸ができるのは糖が使われているからです(脂肪ではなく)。
グリコーゲン→ピルビン酸→乳酸
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ミトコンドリア(クエン酸回路)
昔は、筋肉のところに酸素が不足すると解糖系で乳酸を作り、酸素があるとミトコンドリアに送られクエン酸回路に入ると言われていた。
そして、乳酸が溜まってくると酸性に傾いて筋肉疲労が起こると言われていた。
しかし、東大の八田秀雄教授は、生きている体の中で無酸素状態はあり得ないという。
無酸素状態の反応ではなく、酸素を使わない反応と考えた方がいいと言っています。
ミトコンドリアで処理できない分が乳酸になり、乳酸はまたエネルギー源として使われる。
他の研究では、速筋線維で作られた乳酸が遅筋線維で使われるというのもありました。
とにかく激しい運動をすると乳酸はたくさん作られるし、他の物質よりも分解されるのが遅く(30分くらいかかる)、血中にも出て測定しやすいので、乳酸は老廃物で疲労物質であるとなったようである。
今では逆に、筋肉からカリウムが漏れ出すことによる筋収縮の低下を防止する、血管新生、傷の修復促進、ミトコンドリア新生、遺伝子発現調節など、乳酸のプラス面がいろいろ見つかっているようです。
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