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母乳中の細菌とその起源

更新日:3月3日

母乳と腸内細菌の関係


母乳中には、細菌が含まれています。母親から乳児に栄養と共に腸内細菌が受け渡されることは、以前から知られていました。しかし、その細菌がどこから来るのかは疑問でした。『あなたに体は9割が細菌』という本にその答えが書かれていたので、ここにまとめます。


母乳中の細菌の起源


消毒の精度を極限まで上げた採乳技術とDNA解析技術を使って調べた結果、献乳の際に見つかる細菌は、もともと母乳に存在していたものであることがわかりました。赤ん坊の口や母親の乳首から混入したのではなく、乳房組織の中に入り込んでいたのです。


乳房組織の細菌


乳房組織にいる細菌の多くは、皮膚によくいる細菌とは異なります。つまり、乳房の皮膚から乳汁に侵入したわけではありません。乳房組織にいる細菌は、通常は膣や腸にいる乳酸菌でした。母親の糞便を解析すると、腸と母乳にいる細菌は同じであることがわかりました。これらの微生物は、大腸から乳房へと移動したようです。


移動ルートの解明


血液を調べることで、移動ルートが明らかになりました。樹状細胞と呼ばれる免疫細胞の中に入って移動していたのです。樹状細胞は、細菌の密入国を手助けすることで知られています。腸を取り囲む厚い免疫組織の中にある樹状細胞は、長い腕を伸ばして腸内にどんな細菌がいるかをチェックします。


樹状細胞の役割


通常、樹状細胞は病原体を見つけると、それを飲み込みます。別の免疫細胞(ナチュラルキラー細胞)の軍団がやってきて退治してくれるのを待ちます。しかし、樹状細胞は害のない有益な細菌までつかまえて飲み込み、血流に乗って乳房に運ぶのです。


母乳の微生物叢の変化


「The human milk microbiome changes over lactation and is shaped by maternal weight and mode of delivery.」という研究によると、最近の分子レベルの研究で、分娩前の数週間に乳腺から分泌される乳汁には、分娩後に採取した新鮮な乳汁から分離された細菌種と類似した細菌種が含まれていることが示されています。


乳腺への細菌の移行


樹状細胞は腸管上皮を貫通して腸管腔から共生細菌を取り込み、全身循環に到達します。生きたままの細菌を数日間保持することが報告されています。最近では、樹状細胞内での腸管細菌の乳腺への移行が提唱されています。


まとめ


母乳中の細菌は、母親の腸内から乳房へと移動することが明らかになりました。これは、母乳が乳児にとって重要な栄養源であるだけでなく、腸内細菌の供給源でもあることを示しています。私たちは、母乳の重要性を再認識し、健康的な生活を送るために、母乳育児を推奨します。


 
 
 

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