top of page
  • ブラックFacebookのアイコン
  • Black Twitter Icon
検索

母乳中の細菌

母乳中には、細菌が含まれており、母親から乳児に栄養と共に腸内細菌となる細菌を受け渡していることは、以前から知っていたが、その細菌がどこから来たものなのかは疑問のままだった。『あなたに体は9割が細菌』という本にその答えが書かれていたので、書き留めておく。


P244

・・・消毒の精度を極限まで上げた採乳技術とDNA解析技術を使って調べたところ、献乳の際に見つかる細菌は、もとから母乳にいた細菌だった。赤ん坊の口や母親の乳首から乗り移って混入したのではなく、乳房組織の中に入り込んでいた。いったいどこから?乳房組織にいる細菌の多くは皮膚によくいる細菌とは違った。つまり、乳房の皮膚から乳汁に侵入したわけではない。乳房組織にいる細菌は、通常は膣や腸にいる乳酸菌だった。母親の糞便を解析すると、腸と母乳にいる細菌は同じだった。これらの微生物は大腸から乳房へと移動したようだ。

血液を調べて移動ルートがわかった。樹状細胞と呼ばれる免疫細胞の中に入って移動していたのだ。樹状細胞は細菌の密入国を手助けすることで知られている。腸を取り囲む厚い免疫組織の中にある樹状細胞は、長い腕(樹状細胞)を伸ばして腸内にどんな細菌がいるかをチェックする。そして通常は、病原体を見つけたらそれを飲みこみ、別の免疫細胞(ナチュラルキラー細胞)の軍団がやってきて退治してくれるのを待つ。ところがなんと、樹状細胞は害のない有益な細菌までつかまえて飲みこみ、血流に乗って乳房に運ぶ。・・・


「The human milk microbiome changes over lactation and is shaped by maternal weight and mode of delivery.」より

・・・しかしながら、最近の分子レベルの研究により、分娩前の数週間に乳腺から分泌される乳汁(したがって乳児との接触を一切受けていない)には、分娩後に採取した新鮮な乳汁から分離された細菌種と類似した細菌種が含まれていることが示されている(35)。樹状細胞は腸管上皮を貫通して腸管腔から共生細菌を取り込み(36)、全身循環に到達し、生きたままの細菌を数日間保持することが報告されている(37)。最近では、樹状細胞内での腸管細菌の乳腺への移行が提唱されている(28, 38)。

 
 
 

最新記事

すべて表示
牛乳摂取による尿中や血中の女性ホルモン

本来、乳牛もヒトと同じように、出産した後に乳を出すのであるが、出産後40~50日で人工授精させられるので、妊娠中にも搾乳できるようになっている。 そして、妊娠期に搾乳された牛乳は、非妊娠の乳牛から搾乳された牛乳より、はるかに多くの女性ホルモンを含んでいる。 乳牛の妊娠期間は280日であるため妊娠牛からも多量に搾乳していることになる。 秦立強らは、牛乳を300ml摂取すると100ngの硫酸エストロン

 
 
 
思考が物質に変わる時

建物の足場のようにあなたの体のそれぞれの部位にしっかりとした構造を作り上げている微小管は実は数十年もの間、単なる細胞の構造の1つとしかみなされてこなかった。ところが、長い円柱状で内部が空洞の微小管は、ドラムのように敏感に共鳴し、またエネルギーフィールドからの信号を受け取れる...

 
 
 
ポロヴェ―ガル理論とは①

一般的には、自律神経には2種類あり、闘争・逃走反応に関連する交感神経系と、「健康」、「成長」、「回復」に関連し、脳神経の1つである迷走神経を主とする副交感神経系であるとされる。 このような自律神経の定義づけの中で、交感神経と副交感神経が拮抗していることが暗示される。一組の対...

 
 
 

コメント


bottom of page