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​日々精進

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脊髄硬膜

発生学的に言うと、胎生6~7週頃に脊髄と脊柱管(椎体・椎弓)との間に認める原始髄膜は頚椎レベルから尾側に向かって、軟膜・くも膜の原基になる層(endomeninx)と硬膜の原基になる層(ectomeninx)とに分かれる。 (広義の)脊髄硬膜は胎生7~9週の間に頚椎レベルから尾側に向かって、最初に外側部分から、次に腹側、背側の順に形成される。 その過程で外側部分では(狭義の)硬膜と脊柱管壁との間にprimary epidural spaceを認めるようになる。 ※狭義の硬膜とは、固有硬膜のことを指し、椎体硬膜も含めると広義となります。 脊髄では硬膜と骨膜の間にスペースがありますが、頭蓋では硬膜と骨膜はタイトに密着しており、骨膜も含めて硬膜と呼ばれることがありますので注意! primary epidural space は脊柱管の外側から前外側にかけて左右に認められ、内部は疎な間葉組織や硬膜外静脈叢の原基や脊髄神経節を含んでいる。 また、腹側でも(狭義の)硬膜と椎体背側との間に間隙を認めるようになり、ここにも硬膜外静脈叢の原基を認める。...

乳酸は老廃物ではない

生きているエネルギーは主として糖と脂肪から得られます。そして乳酸は糖からつくられます。 エネルギーはミトコンドリアが糖と脂肪を分解して作ってATPという形にして生み出しています。 ミトコンドリアが、ATPを糖と脂肪から生み出す反応の最後に酸素が必要になります。 糖を利用する途中でできるのが乳酸で、乳酸ができるのは糖が使われているからです(脂肪ではなく)。 グリコーゲン→ピルビン酸→乳酸          ↓        ミトコンドリア(クエン酸回路) 昔は、筋肉のところに酸素が不足すると解糖系で乳酸を作り、酸素があるとミトコンドリアに送られクエン酸回路に入ると言われていた。 そして、乳酸が溜まってくると酸性に傾いて筋肉疲労が起こると言われていた。 しかし、東大の八田秀雄教授は、生きている体の中で無酸素状態はあり得ないという。 無酸素状態の反応ではなく、酸素を使わない反応と考えた方がいいと言っています。 ミトコンドリアで処理できない分が乳酸になり、乳酸はまたエネルギー源として使われる。 他の研究では、速筋線維で作られた乳酸が遅筋線維で使われるとい

酸塩基平衡

自然の調整は美しい。 酸性とアルカリ性、塩基は厳密にはアルカリではないが、ここではアルカリと考える。 酸とはH⁺(水素イオン)を放出するもの、塩基とはH⁺を受け取るものです。 PHは血液や細胞外液の水素イオン濃度で決まる。 PH1が最も水素イオンが多く酸性、PH14最も水素イオンが少なくアルカリ性、 PH7が中性です。我々の血液では、PH7,35~7,45弱アルカリで維持されています。 これが酸塩基平衡です。 ではなぜ、この範囲で維持されているのか? この範囲が、体の中の代謝作用などで活躍する酵素が活性化するからです。 重要になってくるのがこの式です。 CO₂+H₂O⇆H₂CO₃(炭酸)⇆H⁺+HCO₃⁻ CO₂が多いと酸性に傾け、HCO₃⁻ 重炭酸イオンor炭酸水素イオン が多いとアルカリ性に傾けます。 CO₂は肺から排泄します。HCO₃⁻は腎臓で作ったり、再吸収したり、H⁺を排泄したりします。 ではどうやって調整するか? 肺では、呼吸数を減らすと CO₂の排出が減り酸性へ向かい、 呼吸数を増やすと CO₂の排出が増えアルカリ性に向かいます。.

脂肪の吸収

脂肪の吸収は、結構難しく大変なのです。 消化管が栄養を吸収しやすい条件は、小さくて、水に溶けやすい、この2点です。 炭水化物やタンパク質は消化酵素で小さくすることができ、小さくなった糖やアミノ酸は水に溶けやすいので、簡単に吸収することができます。 油は水に溶けにくいのでいろいろな工夫がいるのです。 まず脂肪は、膵リパーゼに出会うのにひと苦労します。 水に溶けないので、油だけで塊を作ってしまい、表面積が小さくなり、リパーゼと接触しにくい。そこで胃の運動で強引に水と油を混ぜ合わせます。 次に、脂肪はリパーゼに分解されて小さくなったが、水に溶けることができません。 ここで重要になってくるのが、胆汁酸のミセル形成です。 胆汁酸は、ステロイド骨格を持つ分子で、肝臓から胆管へ排泄される時は、グリシンまたはタウリンと抱合し、抱合胆汁酸として排泄されます。そのため抱合胆汁酸は水に溶けやすい部分と溶けにくい部分を持ちます。 リパーゼに分解されたモノグリセライドや遊離脂肪酸は、胆汁酸の油の部分とくっついて胆汁酸を全身にまといます。そうすると水に溶けやすい部分が表面に

脳腸相関

腸は第二の脳といわれるぐらいで、脳の助けがなくても自律できる部分もあるが、実はお互いに密接にかかわりあっている。 人間以外の生物でも脳でストレスを感じるとおなかが痛くなり、便意を催すことが知られていて、反対に腸に病原菌が感染すると、脳で不安が増すとの研究報告もある。 脳と腸は自律神経系や液性因子(ホルモンやサイトカインなど)を介して密に関連していることが知られている。この双方向的な関連を「脳腸相関」と言う。 これが、器質的ではなく、機能的な疾患である過敏性腸症候群の病態を考えるうえで重要になってくる。 過敏性腸症候群とは、腹痛あるいは腹部不快感が1ヵ月につき3日以上あるものが3か月以上続き、その腹痛あるいは腹部不快感が、 1、排便によって警戒する 2、排便頻度の変化で始まる 3、便性状の変化で始まる この3つ便通異常の2つ以上の症状を伴うものとされています。 ・ストレス下での脳から腸へのシグナル 視床下部室傍核ー副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)               ↓↓   下垂体前葉ー副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)  

概日時計としての脈絡叢

概日リズムについてな何回か書きましたが、2018年3月に理化学研究所が発表した論文に面白いものがあったので紹介したいと思います。 私たちの細胞一つ一つにも概日リズムがあり、睡眠や覚醒、体温ホルモン分泌、代謝などにも概日リズムがあり、それをオーケストラの指揮者のように統御しているのが、我々哺乳類においては中枢時計であり、視床下部にある「視交叉上核」です。 そして脈絡叢とは、脳の側脳室・第3脳室・第4脳室、各脳室の天井部分にあり、脈絡叢上皮細胞は毛細血管の血管内皮細胞とともに血液脳関門を形成している。また 脳脊髄液を産生し、脳室に分泌する重要な臓器です。 今回、理化学研究所はマウスを用いて、脈絡叢が中枢時計を司る視交叉上核よりも堅固な概日リズムを刻むということを発見しました。 視交叉上核の概日リズムは脈絡叢によって短周期になる一方、脈絡叢の概日リズムは視交叉上核によって周期に影響を受けないことが分かりました。これらの結果は、脈絡叢から視交叉上核へ内因性の同調シグナルが存在することを示しています。 脈絡叢時計が、脳脊髄液の循環を介して中枢時計に作用し、

男性更年期障害

近頃は、女性だけでなく、男性にも更年期障害があるということになっているらしい。ちなみに私の20年前の生理学の本には、男性には更年期障害はないとはっきり書かれてかかれています。そろそろ買い換えないとやばいかも。 女性の場合は、閉経があって、エストロゲンの減少で起こるとされるが、男性の場合はテストステロンです。 テストステロンの減少による症状は、性欲や認知機能、心理機能が著しい影響を受け、勃起不全、性欲減退、睡眠障害、気分が沈みがちになる、疲れやすい、筋力低下、内臓脂肪増加、骨がもろくなるなどがある。 症状のほとんどが、うつ病などの精神神経疾患と重なるところが多い。 治療としては、血中のテストステロン濃度を測って、ある一定まで下がっていると、ホルモン補充療法ということになるようです。 血中テストステロンとは、フリーのテストステロンで、全テストステロンの中の2%ほどです。後はアルブミン結合型が30~40%、性ホルモン結合型グロブリン結合型が50~60%になります。テストステロンはステロイドホルモンの一種であり、コレステロールから合成されるものですから、

先天性股関節脱臼

先天性股関節脱臼は、今では脱臼は生まれた後に発症するという議論から発育性股関節形成不全と呼ばれるらしい。 臼蓋形成不全が先にあって股関節脱臼を起こすのか?股関節脱臼が起きて臼蓋形成不全が起こるのか?よくわからないが、たぶん両方あるのだろう。 脱臼が発生する原因には、元々持っている内因性因子と出生後に加わった外因性因子があり、この2つの要素が合わさって脱臼がが起こることになる。 内因性因子とは、遺伝的な問題ということです。骨盤や大腿骨の形とか関節の緩さなどで、最近の先天性股関節脱臼の赤ちゃんは、家系に先天性股関節脱臼や変形性膝関節症の家族がいることが多いようです。 外因性因子とは、出生後の股関節の肢位が脱臼を誘発する大きな因子と言われています。 赤ちゃんの脚の肢位は、前から見てM字で自由になるのが良く、股関節が伸展するような形は良くない、日本では1970年以前は脱臼多発国と言われ完全脱臼の発生率1%程度、100人に1人の脱臼が生じていました。その当時日本では、三角おむつや巻きおむつが使われており、これらのおむつにより股関節が伸展を強要されることにな

マインド

この頃の新型コロナの恐怖をあおる報道が、どうも嫌でしょうがないと思っていたところに、A.Tスティルの本の中に良い文章があったのでご紹介します。 怖がらずに、健全と共にありましょう! 1854年に時々、彼はメイコン郡から馬に乗ってワカルサ伝道部に家族を訪問し、友人を連れて行きました。コレラの流行は最盛期にあり、彼らが行ったどこでもこの病気が主な話題となりました。カンザスシティで、彼らはニューオリンズへ下って行く途中の川のボートや川沿い町でのその流行の恐ろしい話を聞きました。帰りの旅で、カンザスシティから60マイル離れた高い草原を横切って馬に乗っていて、スティルは突然、彼は病気にかかったと思うと悪ふざけで知らせました。その効果は驚くべきものでした。彼の友人は、汗、吐き気、そして初期のコレラのすべての兆候で、死にそうに青ざめ、衰弱に近いように見えました。スティルは、冗談を言っていただけだと仲間を安心させようとしたが、効果がなく、何をすべきか疑問に思った時、彼は突然、父親にされた子供時代のむち打ちを思い出し、革ひものひりひりする痛みで、どのように彼の怒り

ドライアイ2

前回は、涙液層の安定性が重要であることを書きましたが、さらに三叉神経の知覚機能が重要であると言われています。 近視の治療であるレーシック手術を例に挙げるとわかりやすいと思います。 レーシック手術を受けるとドライを発症することがあります。 この手術がどういうものかというと、角膜をエキシマレーザーで削り、角膜のカーブを変えることによって屈折異常を矯正する手術方法の一つで、角膜をレーザー光線で削る前に角膜表面にフラップを作る方法を特にレーシックと呼びます。(フラップとは蓋みたいなものです)このフラップを作る際に神経が切断されます。術直後には、角膜内の神経線維束が90%消滅し、その再生には3~6か月かかると言われています。 角膜には三叉神経の神経線維が高密度に存在するため角膜知覚は非常に敏感であり、知覚刺激に伴う涙液の反射分泌は正常な涙液層の維持に欠かせません。 さらに瞬目回数も減少に伴い、マイボーム腺からの油分の分泌も減少するし、涙液層の伸展機会も減少します。 レーシック手術に伴うドライアイのケースでは、いかに三叉神経を再生させるかということで、手術で

ドライアイ

ドライアイについて調べようと、標準眼科学ー医学書院を見てみると、シェーグレン症候群、トラコーマ、乾性角結膜炎、スチーブン・ジョンソン症候群など涙液減少によるドライアイしか載ってない!20年近く前の眼科学では古すぎました。 涙液が量的に正常か増加しているものについて知りたかったのに。 そこでインターネットで、最新の情報にあたってみました。 目の表面にある涙液は、層状になっていて、外側から油層、液層、ムチン層の3つの層がある。この3層の安定性が重要! 油層―これは字のままで油の層。涙の蒸発を防ぐ役割をしています。この油は、上下の瞼の縁にあるマイボーム腺から分泌されます。神経支配は、主に副交感神経=顔面神経の枝(交感神経、三叉神経=知覚、の繊維もあります)支配です。機械的刺激によっても分泌されるようです。 液層―これは、水なんですけども、目の表面の細胞を育てる栄養素や酸素、細菌や外敵から守る成分、紫外線から目を守るビタミンや抗酸化成分などがたくさん含まれています。 それから、分泌型ムチンが濃度勾配を持ちながら分布していて、水分をゲル状に保つと共に開瞼維

帯状疱疹後神経痛

いわゆるよく聞くヘルペスには2つあります。 一つ目は、口唇ヘルペス、性器ヘルペスなどの原因になる単純ヘルペスです。 単純ヘルペスウイルス(HSV)が原因でできる水ぶくれを単純疱疹といい全身のどこにでもできます。 ・唇(口唇ヘルペス)・歯茎、口の中(ヘルペス性歯肉口内炎)・耳、頭、顔面・胴体・腕・おしり・性器(性器ヘルペス)・陰部、肛門・足など もう一つは、帯状疱疹の原因になる水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)です。帯状疱疹も全身のどこにでもできます。このVZVの初めての感染が水疱瘡です。その時のVZVが脳神経、脊髄の神経節に残存していて、それが再発して神経を逆行性に下降して皮膚に病変を作るのが帯状疱疹です。 この2つは親戚のようなウイルスなので似たようなところがあります。 ・水ぶくれがでる・水ぶくれの場所に痛みかゆみが出る・うつる病気(感染症)である・原因ウイルスは体に一生住みついて治療しても再発する。 HSVでは神経痛が残ることはありませんが、VZVの再活性化では神経痛を残すことがあります。それが帯状疱疹後神経痛です。 それは再活性化の時のHSVと

アルツハイマー病

前回に書いたアミロイドで一番有名なのが、アルツハイマー病(AD)です。 ADの原因は、今のところ確定していないのですが、有力な説として、アミロイド・カスケード仮説というものがあります。 アミロイド・カスケード仮説とは? ADは10年以上の長い緩徐進行性の経過で認知機能の障害や様々な周辺症状を示し、最終的には摂食困難による栄養障害や感染症などの合併症によって致死的経過をとる。これらの症状を臨床的に認める一方で、脳内では発症に先行すること10年ないしは15年前に、老人斑を構成するアミロイドβ蛋白質(Aβ)やタウ蛋白質の脳内蓄積やシナプスの機能・形態異常や神経細胞脱落といった病理的変化が生じている。 ADの病態生理に関しては、アミロイドと呼ばれる重合したAβの沈着が客観的に捉えられる最も早期の脳内病変であること、またAβの前駆物質(AAP)をコードするAAP遺伝子の変異が家族性ADの原因として認められることなどから、アミロイドの蓄積がAD発症の最上流にあって、全てのADの病理学的事象を誘導するとの考え方。 しかし、この説は今とても厳しい状況にあります。

アミロイドーシス

アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれるナイロンに似た線維状の異常タンパク質が全身の様々な臓器に沈着し、機能障害を起こす病気の総称です。 アミロイドとは、さまざまなアミロイド前駆物質が重合し凝集した不溶性の線維です。 複数の臓器にアミロイドが沈着する全身性のものー全身性アミロイドーシスと、ある臓器に限局してアミロイドが沈着する限局性のものー限局性アミロイドーシスに分けられます。 ・全身性アミロイドーシスー免疫グロブリン性アミロイドーシス(ALアミロイドーシス)、AAアミロイドーシス、透析アミロイドーシス、家族性アミロイドポリニューロパチー、老人性全身性アミロイドーシスなど ・限局性アミロイドーシスーアルツハイマー病、脳アミロイドアンギオパチー、プリオン病など 透析アミロイドーシス アミロイドが、全身、特に骨や関節に沈着し、痛みや運動制限を起こす病気です。長期の透析患者さんには多く発症します。 原因としては、アミロイドの前駆タンパクーβ2ミクログロブリン(β2‐MG)というタンパク質は主にリンパ球系の細胞表面に存在していて、一定量が血中に放出され

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